課題
Jam Cityは、社内タイトルでも最高収益を上げているバブルシューターゲーム「Panda Pop」の休眠ユーザーの掘り起こしを目指していました。これには複数の広告フォーマットと、グローバルな規模でのクリエイティブ・パーソナライゼーションが必要でした。これを前提として掲げたJam Cityが求めていたのは、ただキャンペーンを実行するだけのDSPではなく、各最適化戦略のアップリフトを論理的に示し、今後のキャンペーンにも転用できる実証的なアプローチを作り出せるパートナーでした。
Jam CityがAarkiとのパートナーシップを選んだ決め手は、Aarkiがキャンペーン戦略のインクリメンタリティ・リフト測定について有している専門知でした。
戦略
Aarkiは支出レベル、ユーザーが最後にアプリを開いてからの経過日数、ゲーム内で到達した最高レベルなどのオーディエンス・データを分析し、これをふまえて多数のオーディエンス・セグメントを画定しました。これらのセグメントが「ターゲティング・グループ」となり、それぞれに異なる入札戦略が適用されました。
続いてAarkiは、Panda Popのユーザー層についての理解を深めるためにディープなクリエイティブ調査を行ない、アプリの独自性は何か、どのような機能がユーザーをわくわくさせるのか、異なるオーディエンス・セグメントはそれぞれどのようなアトリビュートに惹きつけられるのかなどを検討しました。
この調査に基づき、各オーディエンス・セグメントに合わせて個別に調整した広告クリエイティブをデザインして、各ターゲティング・グループにクリエイティブ・グループを当てはめました。
デザインを行う際に重視したのは、ユーザーの注意を惹きつける明るく鮮やかな色使いとダイナミックなアニメーションでした。クリエイティブ調査の結果をふまえて、ユーザーがゲームに見出していた魅力を思い出させ、感情を喚起して、行動を強く呼び起こすようデザインしました。続いてクリエイティブ・テストを行い、オーディエンス・セグメントごとに最も良い結果を出しているクリエイティブを選出しました。各クリエイティブ・グループ内で、複数のクリエイティブのパフォーマンスを比較して「チャンピオン」クリエイティブを選出し、そのメディアおよび予算割り当てを増やして、最もエンゲージメントの高いオーディエンス・セグメントに届くよう調整しました。ベストなクリエイティブが確定した段階で、PSAテストに移行しました。
PSAテスト
採用した戦略のアップリフトを実証し、パーソナライズされた広告クリエイティブの影響力を把握するため、公共広告(PSA)テストを行いました。全オーディエンスを、プラシーボとして公共広告クリエイティブを表示するコントロールグループと、高度なエンゲージメントを意図してパーソナライズされたリアクティベーション・クリエイティブを表示する実験グループの2集団に分け、収益性のあるリアクティベーションを目指して、機械学習アルゴリズムを用いてCPM入札を計算しました。
当初、オーディエンスの大部分にはパーソナライズされたクリエイティブを表示し、残る少数のオーディエンスにPSAクリエイティブを表示しました。その後3週間をかけて徐々にオーディエンス数を等しくし、コントロールグループと実験グループを比較しました。
結果
リエンゲージメント・キャンペーンの結果は圧倒的で、全面的に期待を上回りました。
インクリメンタリティ・リフト分析により、Aarkiのクリエイティブ戦略とメディア最適化アプローチ、入札アルゴリズムの影響力が示されました。統一的で説得力があり、効果的なクリエイティブ・アプローチ戦略のひな型をJam Cityに提供することができました。
アプリのリエンゲージメントを成功させるAarkiの強みは、アプリのユーザーフローの様々なステージにおいて個々にユーザーをターゲティングする能力です。